平成10年度のご挨拶文


昌友会会員の皆さんに               1998.11.12
鵜 澤 昌 和

本年も間もなくクリスマスシーズンと年末を迎えることになり、時の経過が
ますます早く感じられる毎日です。来る11月24日に私は満80才の誕生日
を迎えます。日本では60才を還暦、70才を古稀、77才を喜壽そして80
才を傘壽としてそれぞれに長壽の祝をする習慣があり、私も60才の還暦の時
には現職の教授でもあり、昌友会の方々を中心に多くの方に集まって頂いて比
較的盛大な祝いの催しをして頂きました。私の年代の者は大部分第二次世界大
戦に軍人として参加したので、20才代で戦死する場合が多く、戦后も過酷な
生活条件のために病気などになり易く、私も戦死を免れた幸を感謝して、せめ
て60才迄元気で働ければ有り難いと考えておりました。ところが、60才の
目標を20年もオーバーして、満80才を迎えることができ、しかも普通の生
活で一応の仕事もできる状態であることは、最大の感謝であります。更に88
才(米壽)、90才(卆壽)、99才(白壽)の日迄元気で活躍して下さいなど
と云う人もありますが、私は今日迄元気で居られたことで望外の喜びであり、
これ以上多くを望むことは僭越であると考えます。たヾ、やり残したこと、ま
とめたいことなどがあまりにも多く、遅々として処理が進まないことが気掛り
であり、悩みであります。

本年はわが国の経済状態が極めて悪く、先途の見透しも暗いので、皆さんもそ
れぞれにご苦労が多かったことと思います。私にとっても公私共に多事多難な
一年でありましたし、今后もさらに困難が続く見通しで、到底老后の楽しみと
か、楽隠居の生活は考えられません。若くして戦死したり、戦后の苦難な時代
に苦闘した仲間が多いのですから、それでよいと考えています。いつも云うこ
とですが、私のことにかヽわりなく昌友会は末永く盛んであってほしいと心か
ら願っています。きびしい社会情勢があればある程、同学の友の集まりは心強
く楽しいものとなる筈です。現在は、竹内、大塚、古川、小島の諸兄が私とよ
く連絡してくれておりますが、その他にも昌友会の発起人である森原兄をはじ
め多くの方々の協力があり、また私宛にしばしば手紙や来訪で接触してくれる
諸兄姉があって、昌友会があればこそと感謝している次第です。これからは、
更に多くの方々が積極的に昌友会の存続と発展のために参画して下さるよう切
望しております。
なお、昨年度の名簿の巻頭のご挨拶文に具体的なことは記してありますので、
是非改めて一読されるようお願いします。

 

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